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近視進行抑制治療

近年全世界で子供たちの近視が急速に増え、社会問題となっています。原因としてはコロナの影響もあり、子供たちが外で遊ぶ機会が減り、スマホ・iPadなどの使用時間の増加が影響していると言われています。
当院では子供たちの近視進行に対し、積極的に治療を行っています。特に両親が近視の方、小さい時から近視の子供は、進行しやすいです。近視が強いことで将来引き起こされる可能性のある眼の病気(例えば、近視性黄斑症・網膜剥離など)を減らす事が大切です。近視を治すことはできませんが、近視の進行をすこしでも軽減する事が出来ればと考えています。

屈折検査に加え眼軸長(眼の奥行の長さ)・眼軸の長い方は眼球形状の解析もいたします。

提案する方法は?

・屋外活動をすることをお勧め
・低濃度アトロピン療法
・オルソケラトロジー
・多焦点ソフトコンタクトレンズ

当院のサイトをご覧ください。

ご希望の方には将来の近視進行予想表もお出しいたします。ご相談下さい。

近視とは?

近視とは眼に入る光線が網膜の手前で結像する状態です。
裸眼では近くは見えますが、遠くは焦点が合わずぼやけて見えます。

正常な方の眼軸長(目の奥行きの長さ)は23~24ミリですが、近視の方は伸びていることが多いです。

平均的な眼軸長(慶応大学眼科2019年報告)
・小学生 23.41±1.03mm
・中学生 24.71±1.19mm
当院では視力の変化が見られた時に、眼軸長を計測します。

近視の分類

近視の強さは、屈折度数により分類されます。屈折度数の単位はジオプタ―(D)が用いられています。

弱度近視 :-0,5D以上-3,0D未満
中等度近視:–3,0D以上-6,0D未満
強度近視 :-6,0D以上

単純近視と病的近視という分け方もあります。単純近視は眼鏡で容易に矯正できるものですが、病的近視は眼球後部の変形を生じ、眼鏡をかけても矯正されない状態です。
視神経や網膜に障害を生じて視力が出にくくなります。

近視になる原因は?

大きく分けて遺伝要因環境要因があります。
両親の遺伝は大きく関係します。近視でない両親を持つ子供と比較し、片親が近視の子供は2.9倍、両親が近視の子供は7.8倍近視になるというデータがあります(NICER studyより)
近年、近視になる人の割合が世界的に増え続けて問題になっています。原因として、環境要因があります。
子供が外で遊ばなくなったこと、スマホやパソコンを見る時間が長いことが大きく影響しています。

●当院では近視発症リスクの評価を
① 年齢
② 両親の近視の有無
③ 屈折検査の値
④ 眼軸長(眼の奥行の長さの)測定
で行います。
低年齢で発症する子供は強度の近視になりやすい傾向がありますので、注意深く経過を診ていくことが必要です。

近視の進行を抑制する可能性のある方法

環境要因による近視の進行は日常生活の習慣を見直すことで、ある程度防ぐことが可能です。ただしこのような方法を用いても近視が進行することも多く、万能ではありません。

① ずっと近業ばかり続けないで、適度に休憩しましょう

30分に一度の休憩、体のストレッチも大切です。
屋外で日光を浴びながら運動をしましょう。毎日1時間以上屋外で遊んでいる子供の方が近視になる率が少ないというデータがでています。

② 低濃度アトロピン点眼

アトロピンには毛様体筋弛緩作用により、近視の進行抑制効果があることが以前より知られていました。しかし従来の1%アトロピンでは瞳が広がり近くが見えないなどの副作用が強く使えませんでした。最近100倍に薄めたアトロピンでも近視進行抑制効果があることがわかってきました。
副作用も従来のものと比べて少ないです。

適応となるお子様 小学1年生から中学生くらいまで
最近視力が急激に落ちている方
遺伝的に近視が進行しそうな方
近視や乱視以外の目の病気がない方
目薬に対するアレルギーがない方
使い方 毎日夜寝る前に1回1滴ずつ点眼します。
点眼を始めて1か月後に視力検査や副作用がでていないか検査をします。
その後は3か月に一度検査をいたします。
検査を受けていただけない場合や、点眼薬のみのお渡しはお断りしております。
・点眼をご希望の場合はご家族の同意書をいただいております。
副作用 まぶしい、近くが見にくい、かゆくなる、胸がどきどきする、眼が赤くなる、喉が渇く
・副作用が出た場合はすぐに中止をお願いします。
③ オルソケラトロジー

夜寝る前に装着して、角膜形状を矯正するコンタクトレンズです。
オルソケラトロジーをすることによって、近視進行抑制効果が得られることがわかってきました。軽度に近視の方が適応で、強度の近視や他の疾患のある方にはできません。自費診療となります。

くわしくは当院のオルソケラトロジーをご覧ください。

④多焦点ソフトコンタクトレンズ

最近、多焦点ソフトコンタクトレンズを小児期に装用すると、一般的なソフトコンタクトレンズに比べ、眼軸の伸びが抑制されると相次いで報告されました。
すでに近視が強くてオルソケラトロジーの適応範囲を超えている方、痛くて使えなかった方にも使えます。
くわしくは当院の多焦点ソフトコンタクトレンズのサイトをご覧ください。

近視進行を予防するためには、低濃度アトロピン療法単独ではなく、オルソケラトロジーや多焦点ソフトコンタクトレンズを組み合わせる方が、効果的です。すでに米国ではコンタクトレンズ(オルソケラトロジーや多焦点ソフトコンタクトレンズ)のみの方が42%、コンタクトレンズと低濃度アトロピンの組み合わせが38%、低濃度アトロピンのみの方は10%にとどまっているそうです。

図1 近視治療用コンタクトレンズの割合
米国では多焦点SCLの処方割合が増加しており、2018年にはオルソKを超えた。

図2 米国における近視治療手段の実態
コンタクトレンズ(オルソKもしくは多焦点SCL)が近視抑制治療手段の主体と考えられていることがわかる。

近視についてよくあるご質問

Qとても近い距離で本やスマホを見ているのですが、心配です。

A近づけて物を見ると眼に対する負担が強いです。近視の方は遠くは見えなくても近くは見えます。近づけて見るのは見えないからではなく、癖です。長時間の近業で内斜視になる子供もいます。正しい姿勢で30センチ以上離して見るようにしてください。明るくして見ることも大切です。

Q長時間、休みなく本やスマホ・iPadを見ているのですが・・・

A疫学調査から30分近くを見たら、数分間遠くをみることが近視進行抑制に有効と言われています。

Qどのくらいの視力になったら、眼鏡が必要でしょうか?

A教室の後ろから黒板の字をみるのには、両眼で0.7以上の視力が必要です。
一番前でも0.3以上必要です。
高学年になれば黒板の字が小さくなり、広い教室で授業を受けることもありますので、眼鏡をお勧めすることが多いです。近視が強いのに眼鏡をかけないでいると見えないだけでなく、眼や頭が疲れます。

Q眼鏡はかけたり外したりしない方がいいのですか?

A軽度の近視の場合、遠くは見えなくても近くは見えていますので、いつもかける必要はありません。しかし近視が進んだ場合は、遠くだけでなく近くも見にくいので、いつもかけることをお勧めします。

Qアトロピン治療をすれば近視を治すことができますか?

A残念ながら、近視を治すことはできません。アトロピン治療をしていた方が近視の進行が軽度に抑えられたというデータはでていますが、個人差があり、進行する方もいらっしゃいます。

Q近視抑制治療は何歳ころまで続ければいいのですか?

A近視の進行は体の成長と共に眼球が大きくなり、眼軸長が長くなることが、大きな原因です。成長が止まると近視の進行も止まる方が多いです。
基本的には身長の伸びが治まるまでは続けることをお勧めします。

包眼科クリニック外観

医院名
つつみ眼科クリニック
医師名
堤 篤子
住所
〒179-0081
東京都練馬区北町2-22-8 サンテアネックス1F
電話
03-3933-0995
休診日
木・日曜日、祝・祭
交通
池袋から東武東上線15分 東武練馬駅南口徒歩1分