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網膜レーザー外来

網膜中心静脈閉塞や糖尿病網膜症は、眼が見えなくなる可能性もある、怖い病気です。

当院では通常の眼底検査に加え、
●200度の広さで撮影できる超広角走査レーザー検眼鏡(オプトスデイトナ)
●蛍光眼底撮影(フルオレセインという薬液を注入して連続撮影します)
●OCTアンギオグラフィー(OCTA)
(造影剤を用いることなく網膜・脈絡膜の血流の状態を見ることのできる機械です)
等を用いて、眼底を詳しく検査いたします。

網膜中心静脈閉塞

網膜の血管が詰まり、血流が悪くなったりする病気を網膜静脈閉塞症といいます。
40歳以上の日本人では2.1%の発病率が報告されています。
高血圧・糖尿病・高コレステロール血症の方に起こりやすいです。病気が隠れていないか全身の検査が必要です。

網膜中心静脈閉塞には

網膜静脈分枝閉塞

網膜内の静脈が閉塞するもの。
主に網膜の動脈と静脈の交差している部分に血栓ができて血管が詰まり出血します。

網膜中心静脈閉塞

網膜静脈の根幹部が詰まって全体に出血が広がります。
静脈の流れが悪くなることにより、むくみ(黄斑浮腫)や出血がおこることで急に視力が低下したり、視野の一部が欠けて見えたり、ゆがんで見えたりします。

網膜中心静脈閉塞に対する治療

視力低下や見え方に異常を感じない場合は経過観察をします。
視力が低下した場合は、主に黄斑浮腫が生じていることが多いです。黄斑浮腫を改善する治療をします

正常 黄斑部

黄斑浮腫

①薬物注射

抗VEGF注射
静脈からの血液や水分のもれを抑制する薬を眼に注射します。
くわしくは黄斑外来の抗VEGF注射のページをご覧ください

治療前

抗VEFG抗体注射後
黄斑部のむくみが減っている



ステロイドテノン嚢下注射
ステロイド剤は、炎症を抑えたり血管から水分が漏れ出てきやすい状態を改善します。
眼の外側に注射します。

②網膜レーザー光凝固

眼底出血した状態が長引くと、新生血管という異常な血管がでてくることがあります。新生血管とは通常の血管と比べると出血しやすく非常にもろい血管のことです。

この新生血管により様々な合併症を起こさなくするために、レーザー光凝固をします。

③硝子体手術

薬液を注射する方法やレーザー光凝固が有効でない場合は、硝子体手術を専門にしている施設にご紹介いたします。

糖尿病網膜症

糖尿病にかかって10年以上経つと、約50%の方の眼に糖尿病網膜症を発症します。初期にはほとんど自覚症状がなく、内科医からの眼底検査の依頼で発見されることがほとんどです。進行すると、黄斑に浮腫を生じたり、出血や白斑が出現し、さらには新生血管を生じて増殖網膜症に至ります。増殖網膜症になると網膜の大量出血、硝子体出血が起こり、視力も低下します。

経過観察や薬による治療だけでは視力低下や進行が止められない場合、次の処置を致します。

単純糖尿病網膜症

前増殖糖尿病網膜症

増殖性網膜症

糖尿病網膜症の治療

基本は糖尿病と同じく血糖のコントロールです。しかし網膜症が進行すると、血糖のコントロールがうまくいっていても網膜症が進行することがあります。

黄斑浮腫や新生血管の生じている患者様に対しては網膜レーザー光凝固を行います。硝子体手術が必要な場合は専門の施設をご紹介いたします。

レーザー光凝固とは?

網膜の虚血部分へレーザー光を照射し、熱で凝固してしまう手術です。これにより虚血部分の酸素の必要量が減り、そこに新生血管が伸びてくるのを防ぐことが出来ます。

この手術は受ける時期が早いほど効果が高く、早期で80%、時期が遅いと50~60%の有効率です。

1回の手術で数十から数百ヵ所凝固し、何回かに分けて照射することもあります。1個の凝固は0、2~0、5mmの円形のスポットで、カメラのフラッシュをたくような状況です。

尚、光凝固はあくまでも新生血管の発生を阻止し、進行を止めるのを目的としている手術です。既に視力が低下している場合はその時点の視力を維持する為に行われるもので、視力回復の手段ではありません。


汎網膜光凝固の写真



汎網膜光凝固
(はんもうまくひかりぎょうこ)

黄斑部以外、ほぼ網膜の全体にレーザー光を当てる治療です。この治療により、新生血管が生じてくることを予防します。

格子状光凝固
(こうしじょうひかりぎょうこ)

網膜の浮腫を生じている部分にレーザー光を当てる治療です。

局所光凝固
(きょくしょひかりぎょうこ)

網膜の浮腫が強い部分や新生血管からの出血がある部分などに、選択的にレーザー光を当てる治療です。

網膜裂孔

網膜に穴(網膜裂孔)ができると、液化した硝子体が網膜の下にまわって、網膜が浮いた状態になり、網膜剥離になることがあります。
網膜裂孔が発見され、それが網膜剥離になる可能性が高いと判断した場合、裂孔の周囲に人工的な瘢痕を作る、レーザー光凝固治療を行います。裂孔の周りを2重~3重に取り囲みます。

網膜裂孔

網膜裂孔レーザー後

すでに網膜剥離が進行している場合や光凝固を施行しても、網膜剥離が起こって進行する場合は、手術適応となり、手術可能な施設にご紹介します。
光凝固後、見え方がさらに悪くなった場合は、すぐにご受診ください。光凝固後1か月くらいは激しい運動などは避けていただきます。

MC-500 Vixi

マルチカラースキャンレーザー光凝固装置(NIDEK社)の特長
  • 病変によって効果的な緑・黄・赤の3種類の色を選んで照射することが可能
  • 一度の照射で多数の凝固瘢を作ることができるため、治療時間を大幅に短縮し、痛みの軽減が可能
  • 多彩なスキャンパターンでの照射が可能

スキャンパターンは22種類あり、網膜の複雑な疾患形状に適したパターンの選択が可能です。

「網膜レーザー光凝固治療」は原則として完全予約制で、月曜日の午前に行っております。

医師のスケジュール表をご覧ください。
(初診の方は一度受診して頂き、諸検査を受けてからご予約となります。)

網膜光凝固術の費用について

光凝固(特殊なもの)

※糖尿病網膜症・網膜剥離 等

70歳未満の方 (3割負担の方) 約48,000円(片眼につき)
70歳以上の方 1割負担の方 14,000円(1ヶ月の上限)
2割負担の方 14,000円(1ヶ月の上限)
3割負担の方 57,600円(1ヶ月の上限)
光凝固(一般的なもの)

※網膜裂孔・網膜中心静脈閉塞症 等

70歳未満の方 (3割負担の方) 約31,000円(片眼につき)
70歳以上の方 1割負担の方 10,020円
2割負担の方 12,000円
3割負担の方 30,060円

医療保険特約に入っている方は保険会社に連絡し、申請されることをお勧めします。
「網膜レーザー光凝固治療」は原則として完全予約制で、月曜日の午前に行っております。
医師のスケジュール表をご覧ください。
(初診の方は一度受診して頂き、諸検査を受けてからご予約となります。)

包眼科クリニック外観

医院名
つつみ眼科クリニック
医師名
堤 篤子
住所
〒179-0081
東京都練馬区北町2-22-8 サンテアネックス1F
電話
03-3933-0995
休診日
木・日曜日、祝・祭
交通
池袋から東武東上線15分 東武練馬駅南口徒歩1分