白内障は誰でもなる?何歳から増える?年齢別の有病率や原因・予防法を解説

白内障?と書かれた吹き出しと高齢女性

白内障は加齢とともに増える目の病気で、誰でもなる可能性があります。

高齢の方に多いものの、若い方でもなる可能性があり、「最近目がかすんで見える」「光がまぶしく見える」といった症状がある場合は、注意が必要です。

この記事では、白内障が誰にでも起こりうる理由や年代別の有病率、なりやすい人の特徴、生活習慣との関係、初期症状、予防などについて詳しく解説します。

ご自身やご家族の方が白内障かもしれないと気になっている方、白内障を予防したいと考えている方はぜひ参考にしてみてください。

白内障は誰でもなる可能性がある目の病気

白内障の目

年齢を重ねれば程度の差はあってもほとんどの人の水晶体に濁りが生じると考えられており、白内障は誰でもかかる可能性があります。

ここからは、白内障がどのような病気なのかを詳しく解説します。

白内障とは

目には「水晶体」という透明な組織があり、外から入った光を屈折させて網膜にピントを合わせる働きをしています。

水晶体を構成するタンパク質が変性し、白っぽくや黄色っぽく濁ってしまった状態が白内障です。

濁り始める場所は人によって異なり、水晶体の中心部(核)から進むタイプと、周辺部(皮質)から進むタイプなどがあります。

▶白内障の種類と特徴を詳しく解説!予防&進行を遅らせる方法

白内障の主な原因は加齢

白内障にはさまざまな要因が関係していますが、中でも大きく影響しているのが「加齢」です。

加齢による白内障は「加齢性白内障(老人性白内障)」といい、年齢を重ねるほどかかる人が増えていきます。

年齢を重ねると、水晶体の内部で酸化や糖化と呼ばれる変化が少しずつ進み、老廃物もたまりやすくなります。

すると、水晶体を構成するタンパク質の変性などが起こって水晶体が濁り、白内障になると考えられています。

▶白内障の原因は加齢だけじゃない?予防方法や手術について紹介

白内障が増え始める年齢

一般的に、50~60歳代になると白内障がみられる方が増えますが、早い方では40代から始まることもあります。

その後は年齢を重ねるにつれて、白内障になる人が増加します。

40代は目の病気や不調が増え始める年代であるため、気になる変化があった場合は一度眼科で検査を受けてみてください。

▶白内障は何歳から発症する?若年での発症ケースや手術を受ける年齢について紹介

若い人でも白内障になることがある

多くはないものの、20〜30代で白内障になるケースもあります。

若い年代で発症する白内障は「若年性白内障」といい、アトピー性皮膚炎やステロイド薬の使用、糖尿病、目のケガなどが原因として挙げられます。

年齢が若いという理由だけで白内障ではないとは言い切れないため、かすみやまぶしさ、視力の低下などがある場合は放置せず検査を受けることが重要です。

▶白内障を30代で発症することもある?原因や症状、予防方法を紹介

年齢別│白内障の有病率

白内障は年齢とともに増加し、50~60歳代になると多くの方に水晶体の濁りがみられるようになります。

以下は、国内で報告されている初期の水晶体混濁を含めた白内障の有病率です。

80歳以上になると有病率が100%になることからもわかるとおり、白内障は一種の老化現象といえます。

年齢初期の混濁を含めた白内障の有病率
50歳代37~54%
60歳代66~83%
70歳代84~97%
80歳以上100%

(参考:国立研究開発法人 国立長寿医療研究センター『長寿医療研究センター病院レター』)

白内障になりやすい人の特徴

白内障になりやすい人の特徴のイラスト

加齢は誰しも避けることができませんが、それ以外にもさまざまな要因が白内障に関係しています。

白内障になりやすい人の主な特徴は、以下のとおりです。

  • 50代以降(加齢)
  • 強い紫外線をよく浴びる
  • アトピー性皮膚炎がある
  • ステロイド薬を長期使用している
  • 家族に白内障の人がいる
  • 目のケガや手術歴がある
  • 喫煙の習慣がある
  • 強度近視・高温の環境・飲酒などの要因がある

年齢や家族歴など避けることが難しいものもありますが、紫外線や喫煙など自分で対策できるものもあるため、日頃の生活習慣を振り返ってみましょう。

50代以降(加齢)

前述のとおり、加齢は白内障の最も大きな原因です。

白内障が増える50〜60代では、老眼による見えにくさも影響し、白内障の初期変化が見過ごされがちです。

また、年齢とともに水晶体は少しずつ硬くなっていくため、進行の具合によっては手術の難しさにも関わってきます。

白内障は初期段階では痛みがなく進行も緩やかなため、本人に自覚症状がほとんどないケースも少なくありません。

そのため、自覚症状がなくても一度眼科検診を受けてみるのがおすすめです。

強い紫外線をよく浴びる

紫外線は水晶体のタンパク質を傷つけるため、白内障の発症に関わると考えられています。

農業や漁業、建設業など屋外での作業が長い方や、屋外スポーツを楽しむ方は、紫外線ダメージが蓄積されやすくなります。

UVカット機能のあるサングラスや眼鏡、つばの広い帽子、日傘などを活用して、目に入る紫外線を減らすことが大切です。

アトピー性皮膚炎がある

アトピー性皮膚炎がある方では、一般的な加齢性白内障とは異なり、若い年代でも白内障になる場合があります。

かゆみから顔や目の周りを強くこすったり、叩いたりする刺激が影響していると考えられているほか、治療に使用するステロイド薬の影響も指摘されています。

ステロイド薬を長期使用している

ステロイド薬の長期使用や大量投与は、白内障のリスクを高めることが知られています。

ステロイド薬にはさまざまなものがありますが、中でも内服薬と吸入薬が白内障の原因になりやすいといいます。

水晶体の後方が濁る「後嚢下白内障」が見られることが多く、ステロイド薬が影響する白内障は進行が早い傾向にあるため、注意が必要です。

ステロイド薬を使っている方は定期的に眼科で検査を受けましょう。

家族に白内障の人がいる

白内障の原因の多くは加齢ですが、生まれつき水晶体が濁っている先天性白内障の一部には、遺伝が関わっていることが知られています。

また、双子を対象とした研究では、加齢性核白内障・加齢性皮質白内障のいずれにも遺伝の影響が見られたという結果が出ています。

(参考:Hammond CJ, et al.『Genetic and Environmental Factors in Age-Related Nuclear Cataracts in Monozygotic and Dizygotic Twins』)

(参考:Hammond CJ, et al.『The Heritability of Age-Related Cortical Cataract: The Twin Eye Study』)

目のケガや手術歴がある

目に物が当たる、強くぶつけるといった外傷がきっかけで起こる白内障を「外傷性白内障」といいます。

年齢に関係なく起こり、ケガをしてから数年経ってから濁りが出てくることもあるため、過去に目のケガや手術を経験した方は注意しましょう。

喫煙の習慣がある

タバコは肺や血管だけでなく、目の健康にも悪影響を及ぼします。

喫煙と加齢性白内障の関係を調べた複数の研究をまとめた解析では、喫煙経験のある人は、吸ったことがない人に比べて白内障のリスクが約1.4倍高いという結果が示されました。

特に、水晶体の中心が濁る核白内障との関連が強く、現在も吸っている人は過去に吸っていた人よりリスクが高い傾向もみられています。

禁煙は白内障の予防だけでなく、全身の健康を守るうえでも有益なので、喫煙習慣のある方はこの機会に見直してみてはいかがでしょうか。

(参考:Ye J, et al.『Smoking and Risk of Age-Related Cataract: A Meta-Analysis』)

その他(強度近視・高温の環境・飲酒)

ここまで紹介した以外にも、強度近視や高温環境、過度な飲酒が白内障のリスクに影響する可能性も指摘されています。

強度近視はさまざまな目の病気のリスクが上がることで知られており、緑内障、網膜剥離、近視性黄斑症などにも注意が必要です。

白内障と生活習慣の関係

スマホを持つ手元

白内障について調べていると、「スマホの使いすぎ」や「ストレス」が原因になるという話を目にすることがあるかもしれません。

ここでは、白内障と生活習慣の関係について解説します。

スマートフォン

スマートフォンやパソコンを長時間使うと目が疲れやすく、「画面の光で白内障になるのでは」と不安に感じる方もいるでしょう。

現時点では、スマートフォンの使用やその画面から出るブルーライトが白内障を直接引き起こすという科学的根拠は示されていません。

しかし、スマートフォンを長時間見続けると、眼精疲労や近視の進行などにつながる可能性があるため、使用時間や使用方法には注意が必要です。

ストレス

ストレスについても、白内障を直接引き起こすかどうかや、影響の大きさについてはわかっていません。

ただし、ストレスによる睡眠不足や喫煙・飲酒量の増加など、生活習慣の乱れには注意が必要です。

十分な休養をとり、心身のバランスを整えることを心がけましょう。

偏った食生活(肥満・痩せ)

45〜74歳の男女約7万6,000人を5年間追跡し、BMIと白内障の発症との関係を調べた研究によれば、BMIが21.0〜22.9のグループに比べ、21未満の痩せ型と23以上の太り気味のグループで、男女ともに白内障の発症リスクが高くなる傾向が見られたといいます。

極端な食事制限や食べすぎを避け、バランスのいい食事で適正な体重を保つことは、白内障の予防の面でも役立ちます。

(参考:国立がん研究センター『肥満度(BMI)と老人性白内障発生率との関係について』)

白内障の初期症状

多くの白内障はゆっくり進行するため、初期には自覚症状に気づかないことが少なくありません。

進行すると、以下のような症状が見られるようになってきます。

  • 視界がかすむ、霧がかかったように見える
  • 光を以前よりまぶしく感じる
  • 視力が徐々に低下する
  • ものが二重・三重に見える
  • 目が疲れやすくなる

濁りが進行して重度になると視力低下や視界全体が白くかすむ症状が起こることもあります。

▶白内障の自覚症状とは?予防法や手術について詳しく解説

白内障の治療法

白内障の治療には、大きく分けて「点眼薬で進行を抑える方法」と「手術で濁った水晶体を取り除く方法」の2つがあります。

白内障の進行度や見え方や日常生活への影響などを踏まえたうえで、適した治療法を検討します。

治療法内容
点眼治療主に白内障が軽度で、日常生活への影響が少ない場合に行う。白内障の進行を遅らせることが目的で、すでに濁った水晶体を透明に戻すことはできない。
手術治療見えにくさなどによって日常生活に支障が出てきた場合に検討する。濁った水晶体を取り除き、代わりに眼内レンズを挿入する。

白内障を予防する方法

白内障の多くは加齢によって生じるため、完全に防ぐことはできません。

しかし、紫外線や喫煙など白内障の発症や進行との関連が指摘されている要因の中には、自分で対策できるものもあります。

白内障を確実に防げる方法はありませんが、対策できるリスクをできるだけ減らし、目の変化に早く気づくことを心がけましょう。

白内障についてのよくある質問

ここでは、白内障についてのよくある質問を紹介します。

Q:白内障の原因1位は何ですか?

A:白内障の原因として最も多いのは「加齢」です。

白内障を発症する原因の約90%は、加齢だといわれています。

Q:白内障になったら必ず手術が必要ですか?

A:白内障と診断されても、日常生活に支障がなければすぐに手術をしないこともあります。

進行を遅らせる点眼治療を行い、経過観察をします。

ただし、点眼治療では水晶体の濁りを取り除くことはできないため、将来的に白内障が進行した場合は、手術を検討します。

Q:白内障になる人とならない人の違いは?ならない人はいますか?

A:80歳以上ではほぼ100%に白内障がみられるため、長生きをすればほとんどの人に何らかの白内障が起こると考えられます。

ただし、発症の時期や進行には、糖尿病やステロイド薬、外傷、紫外線、喫煙などが影響する可能性があります。

まとめ

白内障は加齢とともに多くの方にみられるようになり、80歳代ではほとんどの方に起こります。

誰にでも起こることがある病気であるため、かすみやまぶしさ、視力低下などが気になり始めたら、「年齢のせい」「疲れ目だから大丈夫」と放置せず、眼科で目の状態を確認してもらいましょう。

東武練馬駅南口から徒歩1分のつつみ眼科クリニックでは、日帰り白内障手術に対応し、単焦点・多焦点・乱視用眼内レンズなどから、患者様の生活に合わせた眼内レンズ選びを行っています。

かすみやまぶしさが気になる方は、ぜひお気軽にご相談ください。