緑内障のタイプにはどのようなものがあるでしょうか
閉塞隅角緑内障 |
前房が狭く、眼圧が上がって、急に激烈な痛みが起こります。 |
開放隅角緑内障 |
慢性的に眼圧が高いのですが、自覚症状がないことがほとんどです。 |
正常眼圧緑内障 |
眼圧は正常範囲でも、視野の進行がみられます。 |
日本人の緑内障の患者さんの7割は眼圧が正常範囲にあるタイプです。
緑内障の治療(点眼・レーザー・手術)
眼圧の高いタイプの緑内障では眼圧を下げることが最も有効な治療法です。
正常眼圧緑内障でも治療前の元の眼圧(ベースライン眼圧と言います)に比べて、眼圧を下げることで緑内障の進行が抑えられることが確認されています。
一番大切なことは眼圧を下げ続けることです。
緑内障の治療には①点眼、②レーザー、③手術と3つの方法があります。緑内障は治療しても残念ながら進行します。緑内障にかかって一度欠けてしまった失った視野は元に戻りません。そのため治療の目的は、進行の速度を遅くして、「生涯にわたり不自由のない目を維持すること」となります。
緑内障手術
薬物療法やレーザーで眼圧が下がらず、視野欠損が進行する場合は手術をすることがあります。
手術が必要な場合、繊維柱帯切開術は当院で日帰りで受けていただけます。
眼の中の水(房水)は隅角という部分にある線維柱帯を通ってシュレム氏管に排出されます。この線維柱帯を切開することで抵抗を弱めて眼圧降下をはかる方法です。
従来は目の外側を切開して、外側からシュレム氏管を切る方法が行われていましたが、最近目の中からシュレム氏管をフックで切開する方法が考案されました。この方法は従来のやり方に比べ侵襲が少なく、安全性の高い方法です。当院では日帰りで流出路再建術(線維柱帯切開術)を行っています。
また白内障手術と同時に行うこともできます。その場合眼圧を下げる効果がより高くなると考えられます。
当院の日帰り緑内障手術の特性
緑内障・緑内障手術を専門とする医師による手術です。
点眼麻酔による、片眼約15分の手術です。
小さな傷で済み、侵襲が強くありません。
手術方法
- 目薬で麻酔をし、テノン嚢下麻酔(白目にする小さな注射の麻酔)をします。
- 開瞼器をかけます。
- メスで小さく角膜を切り、目の中を守るための粘着性物質という液を注入します。
- 隅角鏡を目に載せます。
- フックを挿入し、線維柱帯を切開します。
- 粘着性物質を洗い流します。
- 少し休んでからお帰りいただきます。
- 隅角を切開している図
- 手術の様子
白内障が強い場合は、白内障手術を同時に行うことができます。白内障手術の方法につきましては、日帰り白内障手術をご覧ください。白内障手術と同時に行っても手術時間は片目30分位で終わります。
⼿術後の注意点
⼿術後約1週間は感染や眼圧の経過に注意する必要がありますので、来院指定⽇をお守りください。
⼿術後は⽬や⽬の周りを強くこすったり、押したりしないでください。
線維柱帯を切りますので、 出⾎は必ず起こります。そのために⼿術数⽇後から約1週間は⾒えにくい状態が続きます。出⾎が引くまでは眼帯をお勧めします。