角膜は涙を介して空気中の酸素を取り入れています。目を閉じている時は目を開いている時に比べて、酸素の供給量が3分の1になります。
コンタクトレンズによって角膜の表面がおおわれると角膜は酸素不足になります。酸素不足になった角膜は傷つきやすく、また感染症も起こしやすくなります。
最近流行しているカラーレンズは酸素の供給が悪いものがあり、角膜障害を起こしやすいです。インターネットや量販店などで検査を受けずに購入し使用するのは危険です。
•酸素不足
•レンズの汚れ
•アレルギー
•感染
•機械的な刺激
•ドライアイ
レンズの装用時間が長すぎると角膜に負担が生じ、レンズの汚れなどによって、角膜上皮に傷がついたり、上皮がはがれてしまうことがあります。ごろごろし、痛みが強く、コンタクトレンズが入れられなくなります。 治療はコンタクトレンズ装用を中止することがもっとも大切です。角膜保護剤や抗菌剤の点眼、痛みが強い場合は眼軟膏を入れて眼帯をします。
全体に細かい傷
下方にできている傷
角膜の傷から細菌やカビなどが侵入して、炎症が起こります。速やかに抗菌点眼薬を点眼し、内服や点滴をすることもあります。
細菌性角膜炎
酸素不足が慢性的に長く続くと、酸素不足を補おうとして角膜周辺から中央に向かって血管が侵入してきます。これは酸素不足の証拠です。ソフトコンタクトレンズユーザーに多く見られます。コンタクトレンズの種類を変えたり、時間を減らしたりする必要があります。
血管侵入
汚れた水や土の中にいるアカントアメーバ(原生生物)がレンズについて目にはいり、角膜上皮に傷があると感染します。非常に治りにくく、視力障害が残る場合もあるので注意が必要です。
長い間のレンズ装用による酸素不足が続くと角膜の内皮細胞が脱落し大きく変形します。内皮細胞は再生しないので、細胞数がある程度以下に減ってしまうと角膜が濁る障害がでることがあります。
レンズの汚れによるアレルギーで裏側にある結膜が炎症を起こして充血しブツブツした隆起ができることがあります。かゆみや目ヤニがでてレンズもずれやすくなります。レンズの装用時間を減らし一日の使い捨てレンズなどに変えていただきます。抗アレルギー点眼薬を使います。
コンタクトレンズ障害
赤い時・ごろごろしたとき・痛い時はコンタクトレンズを入れないことが大切です。
カラーコンタクトレンズは、間違った使い方をすると重症なトラブルを起こすことがあります。最近インターネットで購入した着色方法や酸素透過性がわからないカラーコンタクトを使っている方のトラブルが多いです。カラーレンズの色素が角膜に 直接出ている場合こすれて角膜に傷ができます。
色素がコンタクトレンズの素材にサンドイッチ状にカバーされているものを選びましょう。
レンズを装用中に必要な酸素が通ることも大切です。酸素透過率の高いレンズを選びましょう。
カラコンによる角膜びらん