眼に入ってきた光は、角膜と水晶体を通り、網膜に像を映し出します。
眼はピントを合わせるため、毛様体が水晶体の厚さを調節します。
正視では、光は調節しないでも網膜に像が結びます。また近くを見るときは水晶体が膨らんで網膜に像を結びます。
正視
目の長さが長すぎると網膜の手前でピントが合っています。このような近視を軸性近視と呼びます。大部分の近視の人は軸性近視です。
軸性近視
角膜や水晶体の屈折力が強すぎると、遠くを見たときに網膜上でピントが合いません。網膜の手前でピントが合っています。このような近視を屈折性近視と言います。
屈折性近視
遺伝的な因子と環境因子が関係していると言われています。
近視になったからといって、すべての方が眼鏡をかけなければならないということはありません。黒板の字が見にくく不便を感じるようになったら、眼鏡をかけた方がいいでしょう。教室の最後列にいた場合、両眼で0.7見えないと黒板の字は見えにくいと言われています。見えないと授業を受ける時とても不便です。
お子さんが目を細めたり、横目を使ったりする、頭が痛いなどという症状が出てきたら、視力が落ちてきたのでは?と疑って視力検査を受けてください。
眼鏡
近視が軽度の場合は、授業中や遠くのものを見るときに眼鏡をかけるという使い方をお勧めしています。眼鏡をかけたりはずしたりすると近視が進むと思っている人がいますが、かけたり外したりすることが近視を進行させるわけではありません。
中等度以上の近視になった場合は常に眼鏡をかける必要があります。
ずっとかけた方がいいかどうか医師によく相談してください。
近視が強い場合や視力の左右差が強い場合、コンタクトレンズをお勧めします。コンタクトレンズは角膜の上に直接接触しますので、眼鏡のように周りが曲がって見えることもなく、視野も広く見えます。
小学生の場合取り扱いや管理が大変なので、コンタクトレンズは原則中学生から処方しています。
スポーツをする方には外れにくいソフトレンズがとても便利です。
当院では近視進行抑制治療を行っています。近視の進行抑制治療のページをご覧ください
目の奥行き(眼軸)が短いため網膜にピントが合わない状態です。ピントを合わせようと水晶体を膨らませる調節をしなければなりません。遠くを見るときは少しの調節で、近くを見るときはもっと強く調節をしなければなりません、つまりものを見るときはいつも調節をしなければならないので、疲れます。頭痛・肩こり・疲れ目の方は遠視が隠れていることがあります。そのため視力検査が大切です。
子供の場合、遠視があっても調節する力が強いため大人に比べて症状が現れないことが多いです。
常に眼の調節をする必要があるために、眼と体が疲れやすくなります。
•集中力がない
•読書が苦手
•頭痛
などの症状が現れることもあります。
遠視のある子どもの中にははっきり見ようとすると調節を沢山するため、同時に起こる輻湊(目を少し寄せる作用)のために眼が寄ってしまい、内斜視になることがあります。治療しないでおくと、視力が発達せず、弱視になることもありますので、検査が必要です。
詳しくは小児眼科外来のページをご覧ください。
凸レンズの眼鏡をかけることが大切です。近視の眼鏡はかけるとぱっとよく見えるものですが、遠視の眼鏡はかけているうちにだんだんと視力が出て目の疲れもとれ、楽になります。できるだけ眼鏡をかけるようにしてください。
詳しくは眼精疲労の治療のページをご覧ください。
正常な人の角膜は縦方向も横方向もほぼ同じカーブをしています。
正乱視は角膜や水晶体のカーブが方向によって違うため焦点を一点にあわせることができません。
一方向の線のみがはっきりと見えますが、他の方向はぼやけてみえます。
不正乱視は角膜の表面に凸凹が生じているために、正常に像が結ばれない状態です。
正乱視は円柱レンズの眼鏡や、コンタクトレンズで矯正できます。
不正乱視は角膜の表面に凸凹があるために眼鏡では矯正できません。不正乱視の矯正にはハードコンタクトレンズが適しています。ソフトコンタクトレンズは角膜の凹凸に沿ってレンズが変形するため不正乱視には不向きです。
A一番大きな原因は遺伝と考えられています。近い物を長時間見るといった環境面の影響もあります。
外で遊ぶ時間が減ったことも原因の一つと考えられています。
A近視の進行は身体の成長と共に眼球も少しずつ大きくなり、眼軸長が長くなることが主な原因です。
身体の成長が止まる20歳位になると、近視もあまり進行しなくなります。
A水晶体の調節力が衰えるスピードは、近視や遠視に関係なくだれでもほぼ同じです。
近視の人も老眼になります。ただ眼鏡やコンタクトを外せば近くは見えますので、症状に気づきにくいです。
A眼鏡をかけ始めるころはひんぱんに視力を測るため、進行したという印象を与えていますが、眼鏡をかけたために近視や遠視が強くなることはありません。眼鏡をかけずに我慢しても、近視や遠視の進行がおさえられるわけでもありません。
A遠視の人は正視の人に比べて、遠くも近くも眼を凝らす(調節をする)必要があります。
常に緊張状態が続くので、とても疲れます。眼鏡をかけた方が楽になります。
A乱視の場合、ある一定方向がぼんやりと見える状態です。物を見るとき、そのぼやけのピントを合わせようと調節します。ある程度が乱視のある方は乱視の眼鏡をかけた方が楽になります。ただ乱視の度数を入れると眼鏡をかける事が出来ない方もいますので、試し掛けをしてみることが大切です。ソフトコンタクトレンズにも乱視入りがありますので、試してみることをお勧めします。