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眼鏡に遠近両用レンズがあるように、眼内レンズにも遠近両用があります。
単焦点眼内レンズは1か所に焦点が合うので、【図1】のように遠くに焦点を合わせると近くはぼやけてしまい、老眼鏡が必要になります。一方遠近両用レンズは【図2】のように遠くのみでなく手元も見やすくなるので、老眼鏡の必要性は大幅に減らす事が出来ます。
単焦点眼内レンズ
遠近両用眼内レンズ
【図1】
【図2】
しかし、若い頃のように、見たいところに焦点を自由に合わせられるわけではないので、位置により見えにくい場所は眼鏡が必要となることもあります。また細かい文字を読んだり、暗い所や長時間読書をするときなども、眼鏡をかけた方が楽な場合もあります。
コントラスト感度とは微妙な濃淡の違いを判別する能力です。遠近両用眼内レンズでは光が遠くと近くに振り分けられますので、コントラスト感度が低下します。
遠近両用眼内レンズを入れた方の中に、文字が少し薄く見える、膜がかかって見えると訴える方もいらっしゃいます。
強い光をまぶしく感じること(グレア)や光の周辺に輪がかかって見えること(ハロー)が起きやすくなります。個人差はありますが手術後の時間経過とともになれてくるといわれています。この発生頻度は多焦点眼内レンズでは、単焦点眼内レンズに比べて高いことが報告されています。
資料提供 日本アルコン社
遠近両用眼内レンズは眼鏡なしで見える範囲が広がってとても便利ですが、若い頃のように、見たいところに焦点を自由自在に合わせられるわけではありません。1か所のみの距離の見え方で比べると単焦点レンズに劣ります。
1か所の見え方にこだわるのではなく、見える範囲を広げて、日常眼鏡を使いたくないと思ってらっしゃる方に向いています。
また細かい字や暗い所では近距離用の眼鏡をかけた方が楽な場合もあります。