円錐角膜とは黒目(角膜)が円錐状に突出してくる病気です。
10代で発症することが多く、両眼性のことが多いです。
初期には眼がぼける程度ですが、進んでくると眼鏡では視力矯正がしにくくなります。
円錐角膜
円錐角膜
目をこすることが多いアトピー性皮膚炎の人に発症することが多いです。角膜の突出に関係する遺伝的な要因に加え、環境的な要因が関係していると言われています。
初期の段階では視力の低下を自覚するようになり、夜間視力が低下します。乱視が強くなると、物がだぶりゆがんで見えたり、明るいところでまぶしく感じるという症状が出ます。
10歳を過ぎてから急に近視や乱視が進んだ場合、円錐角膜を疑って角膜形状を調べることが大切です。
角膜形状解析装置(トポグラフイー)を用いて、角膜の形を調べます。
トポグラフィー
基本的にはハードコンタクトレンズを装用することが大切です。
ごく軽い円錐角膜では眼鏡やソフトコンタクトレンズで対応できますが、進行してくると、視力がでにくくなります。
ハードコンタクトレンズを装用すると見えるようになるだけではなく、病気の進行を抑えられる可能性が高いです。
当院では円錐角膜用のハードコンタクトレンズを処方しております。このコンタクトレンズは角膜形状に合わせてオーダーしますので、レンズがこすれることで生じる痛みを軽減することができます。
詳しい詳細はオーダーメイドコンタクトレンズのサイトをご覧ください
【コンタクトレンズ以外の円錐角膜治療法】
上記の治療を希望される方は専門の施設にご紹介いたします。
A円錐角膜は不正乱視(角膜表面が凸凹している)なので、乱視を矯正するのに、眼鏡ではむずかしいです。また眼の形によって形が変わるソフトコンタクトレンズでも矯正しにくいです。ハードコンタクトレンズなら視力が出る可能性が高いです。
Aハードコンタクトレンズをいれていると、角膜の表面がとがっていますから、こすれて異物感が強くなりがちです。目の形に合わせて作ったオーダーレンズの方が楽になります。また装用時間が長くなると痛くなりがちですから、レンズの装用時間は短めにしたほうがいいです。角膜保護する点眼薬の併用もお勧めします。あまり痛くて入れられない場合ピギーバック法といってソフトコンタクトレンズを入れたうえからハードコンタクトレンズをのせる方法もあります。
Aレーシックは角膜を削って屈折力を変える方法です。円錐角膜の人は角膜が一部突出し薄くなっているので、レーシックは禁忌とされています。